続・天使が舞い降りた。

俺は背中を押さえながら腕時計に目をやる。

「あ! もうこんな時間だ。悪い」

「今日、これから現場行くんだろ? 頑張れよー」

今日はこれから映画の撮影現場へ行って打ち合わせの予定がある。

慌てて荷物を持って、楽屋を飛び出す。

「…あ、賢治!」

俺は入り口のドアで立ち止まって、賢治のほうを振り返った。

「ありがとう」

俺の言葉に賢治は笑顔で手を振る。




少しだけ弱気になっていた俺は、賢治の言葉に勇気をもらった気がした。

もう一歩、踏み出してみよう。

そう思えたのだった。









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