双子悪魔のホームステイ



「わたくしはその二人の母親で閻魔の妻、ロール・メティーナ。母親が、息子達の顔を見に来るのに約束や予告が要りますの?傲慢な注文なんて……地球上で最も欲深く勝手な種族である人間に、言われたくありませんわね。」


「うっ……筋は通ってますけど。」


「わかったら、早く案内して下さりますこと?まさか……部屋がこの狭い一室しか無いというのではありませんよね?」


「狭い一室しか無くて悪かったですね!私の部屋はこの部屋だけですよ!」


今にも噛みつきそうな勢いで返す結祢を、まあまあと青年が両手を前に出してとりなす。



「母さんはスッゴく毒舌だけど、悪気は全く無いんだよ。だから、許してあげて、結祢ちゃん。」


「ディザス君……。でも、他の部屋なんて無いのは本当なんですよ?」


ディザスと呼ばれた彼は、卵型の顔に金色の髪と赤い瞳を持つ。

歳は結祢より一つ上の十七歳で、人間ではなくコウモリのような翼に二本の角と先端が三角の尻尾を持つ“悪魔”であった。
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