双子悪魔のホームステイ


「……戯れはけっこうですわ。単刀直入に尋ねます。あなた……誰ですの?」


予想もしなかった質問に、閻魔は数秒間押し黙り、やがてククッと妙な笑い声を上げた。



「自分の夫に向かって“誰だ”とは……おかしな質問をするものだな、ロールよ。」


「……答えなさい。なぜ、あなたは夫のフリをしていますの?わたくしのダメ夫をどこに連れて行きましたの?」


「フハハ!そなたのダメ夫ならば、ここにいるこのわしじゃないか!フリをしているだと?その根拠や証拠はどこにある?」


傑作だと手を打ち鳴らして大笑いしながら訊く閻魔に、証拠ならありますわよとロールは冷静に答える。



「なんだと?」


「わたくし、天界探偵を用いてあなたの動向を探らせていましたの。すると、わたくしのダメ夫にしては、不自然な行動や言動が発見されましたわ。現に……あなたの口調や態度は、ダメ夫に似ても似つかないものばかり。」


「知らなければ……穏やかで幸福な日々を暮らせるものを……。愚かな女だ!」


突如、閻魔は口調が変化させ、地獄の底から這い出てくるような低い声を出して立ち上がった。
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