双子悪魔のホームステイ

封じられた双子悪魔の過去と、少女の選択

「えっと……何がどうなっているところなんでしょうか？」


新月の夜。

月明かりが差し込まず、光源が全て消された暗い部屋に足を踏み入れた棉葉 結祢は、困惑しているように頬をかきながら言った。


彼女が開け放ったドアから、少量の光が部屋に入り込み、部屋に陣取る三人の男性の姿が浮かび上がる。



「あっ……お帰りなせい、お嬢。ちょいとお邪魔してやすぜ。」


真っ先に結祢に気付いて言葉を返したのは、水色の羽根が付いた手のひらサイズの小さな黒帽子を被った白衣の青年。


歳は二十代後半から三十代前半といったところだろうか。

緑色のくるくるパーマの髪に黄色い瞳を持ち、女性なら誰でも羨みそうな小顔の持ち主であった。