悪魔? or 天使?(上)
しばらくして優里が帰ってくる。
その顔は心なしかトロンとしていて、
上気しているようだった。
「…腑抜けた顔…」
あたしがそう言っても何も反応しない。
「ねぇ、何やってたの?」
そこでやっと気がついたのか、
口元を引きしめなおしあたしに向き直った。
「私、結婚します!!」
「はぁ?」
「今彼に電話してプロポーズしましたぁ!
美玲ちゃんのおかげですぅ。やっと勇気が出せましたぁ」
どうやらこいつ、本気でアホらしい。