ライムの匂いのする方へ



「前の彼氏と別れて半年?
そろそろ体のふれあいが恋しいんじゃないの?」


耳元で囁く。



耳が弱いわたしを知っている涼は
動けないようにわざと耳元で喋り続ける。




「俺、本気だよ。
ゆりも嫌とかいいつつ
ドキドキしてんでしょ?」



「してないし。」







形勢逆転。







「付き合えるよね?」





やめて、やめて。







「うんって言って」






ぎゅっっとわたしを抱き締める。







温かい。
大きい。





もういっそ流されてしまおうか。
頭の中でそんな思いが芽生え始める。






抱き締める力が強まる。






「やめっ」

「うんって言ってよ。
そしたらやめてあげるから。」





今度は指にキスをする。



首、おでこと場所を変えてし続ける。








一呼吸おき涼は悪戯そうに笑う。





「ごめんね。」






顔が近づく。




あと10センチ、3センチ…






そして・・・
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