いちばんの星 -side episode-


「えっ?」



母のその言葉にラナは思わず動揺してしまった。



脳裏に浮かんだのはもちろん、スティークの姿だ。



「い、いないわよ。お城は女の人ばかりだもの…」



そう言うと、動揺を隠すようにカップに口をつける。



「なら丁度よかった。今日呼んだのはお前に話したい事があったからなんだ」

「話?」



そう言うと、父親はラナとそっくりな笑顔を向ける。



「そうよ。あなたに結婚の話がきてるの」

「結婚っ?」



嬉しそうに微笑む母とは対照的に、ラナはおもわず驚きの声を上げる。



「そうよ。まずは食事でもしてみませんかって相手の方が」



嬉しそうな両親の表情に、ラナは何も言うことができなかった。
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