にじいろ奇跡
「・・・酷い顔」


朝起きて鏡を見ると、泣きながら寝たせいか目は赤く充血して腫れてしまった。


一晩中泣いていたからだろうか、目の下には隈も出来ている。


「・・・痛い」


取り敢えずタオルで目を冷やす。


(・・・食欲無いなぁ)


朝食を食べないといけないのに、お腹はすかない。


無理矢理菓子パンを食べ、ホットココアで飲み込んだ。


「ふぅ・・・」


一息ついたとこで、やる事の無くなった私はしばらく暇潰しにと、本を読んだ。


ページを捲る以外の音はせず、静かだった。


「・・・!!」


沈黙を破ったのは、沙夜のケータイの着信だった。


「誰だろう・・・?」


電話のようだ。
ディスプレイには「中條優」と出てる。


「中條・・・?」



(珍しい・・・)


彼はあまりメールも電話もしてこない。


このまま鳴り続けられても困るし、煩いし、何より相手に失礼だ。


私は意を決して、中條からの電話を取るべく、携帯を開いてボタンを押した。
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