愛しのマイ☆ドクター
コンコン



その夜7時ちょうどに

僕は院長室をノックした



『入ってください』



中から院長のバリトンボイスが

聞こえてきた



部屋に入ると

社長さんと見知らぬ女性が

院長の向かいのソファに腰かけていた



30代後半くらいだろうか



少し顔色が悪く

目じりにしわがあるけど

綺麗な人だった



一目で

美羽のお母さんだとわかった



『こちら畠島先生 若いが優秀なドクターです』



と院長先生が僕を紹介した



『山本です』



とお母さんは

美羽の本当の苗字で名乗った



大きな目や顔の輪郭が

美羽とよく似ていた
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