碧色の君へ
3―looking for




「「いただきまーす」」



すぐ近くにあった、小さな和風喫茶店に入った。


二人して、目の前に運ばれてきた餡蜜に手をパチンと合わせる。


付き合わせてしまったお詫びに、香奈に何かご馳走しようと思っていたから。



つぶあんたっぷりの白玉を口に含むと、甘さがふんわりと広がった。



「美味しーい!」



きゃっきゃっとはしゃぐ香奈を見ながら、私は熱いお茶に手を伸ばした。



< 29 / 201 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop