Don't leave
帰宅して、子供達の面倒を見てくれていたお母さんにお礼を言い、私は買い物袋からガサゴソと商品を取り出す。



「やっぱりさ、いくらお金なくてお節無しっても…伊達巻と昆布巻と数の子は外せないでしょ。外しちゃいけないでしょ。だから買ってきた。…お正月用のお菓子も私のお酒も。」




つかささんに逢えないお正月なんて飲むしかない。


…大して飲めないけど。


「わーい!昆布巻だーい好き!超嬉しいっ!」


盛り上がる子供達の声を背に、黙々とお風呂掃除を始める。




頭の中にまだ佇んで笑いかけてくる、

つかささんの姿を振り切るように。







―――『さっきまでそばにいたのに寂しいよ』




お風呂も済ませ、年越しそばも食べて、ゴロゴロしながら紅白歌合戦を見てる時。


耐えれず弱音メールを送ってしまう。


紅白歌合戦なんかまるで聴いてない。


子供達はテレビを見ては騒ぎ、遊んでは騒ぎ。




「―はあ――」



思わず溜め息が出る。



つかささん

寂しいよ。





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