そのオトコ、要注意。

うなだれるあたしを環奈がなんとか教室まで引っ張り、あたしとあたしの前の環奈の席までやって来た。


「…で。なんでそんななのよ」

真面目な顔で切り出された。


教室の中はまだまばらで、それでもみんな休み明けで浮足立ってるのか、割と騒がしかった。


どう言おうか迷ってしばらく唸る。

「…朝ね、学校に来る途中にね――…」

あたしはこれまでの経緯を全て話すことにした。

包み隠さず。


.
< 12 / 142 >

この作品をシェア

pagetop