騙してみせて!
「ナツエの謝罪は心が篭ってるから聞いてて清々しいよ」

「そうかな?」

「うん。なんか絶対に許さないといけない、って気にさせる」

「何それ―? 紺野くんって面白いよね」

あたしの被った仮面……すなわちナツエは口に手をあてクスクス微笑した。

そんなあたしに紺野くんは何も疑うことなく笑顔で歩き始める。


ナツエはとにかく礼儀正しい。

そんなナツエには紺野くんのような真面目な少年がぴったりで、お似合いカップルと周りから囃し立てられていた。

否、紺野くんに合うような性格がナツエという仮面だったのだ。
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