KING CASTLE
「もっと後ろ歩いてよ!」
「やだね」
笑いもせず、怒りもせず。
ただ頑なに1メートル後ろを守って歩く。
なにこれ、新手のイジメか?
なんて思っていると、下駄箱についた。
靴を出して、さっさと履き替える。
「じゃ、あたし帰るから」
これ以上何か突っ込まれる前に、そそくさと歩き出した。
いや、まあ自意識過剰かもしれないけどさ。
でもこのエロ大魔神は何するかわかんないんだよ!
「うん、俺もこっちだけど」
……、…は?
にっこりと嘘くさい笑顔をつくって、頬を引きつらせるあたしに言う。
「なんで!?」
「…お前、そこに家がたっているからだろ。なんでもクソもあるかよ」
だからお前は馬鹿なんだ、とでもいうような口調で平然と言い張った。
おい、おい!
せっかく離れられるっていう時に!