KING CASTLE

それに対して玲羅は、黒地の布に大人っぽい色で描かれた蝶だった。
長い髪をまとめて、簪をさしている。

妙に色気が漂ってて、女でも舌なめずりをしそうになる。


「ガキっぽすぎ」

後ろで聞こえた素の声に、カチンときた。


「うるさ……い…?」

ムッとして振り返ると、不機嫌そうな伊吹が立っている。

のは、いいとして。


目を見開いたのは格好だった。


あたしはそんな詳しくないけれど、伊吹のその格好は当時の新撰組を再現していて。

少しだらしなく着た着物に、
エクステやらワックスやらをすべて駆使して造り上げた、沖田総司のポニーテール。


に、似合い過ぎ…。


沙羅ちゃんが最初に、『沖田総司は伊吹君しかいない!』と豪語した理由がわかった。

「お前、見せ物にされるぞ」

「それは伊吹でしょ」

鼻で笑って言い返してやったら、鋭く睨みつけられる。


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