Time to be in love
ポトッポトッと水滴があの子の文字を濡らしにじませいていく。



私は彼女をもっと幸せに出来たと思う。



自分ばかり優先してきたから。



でも、それでも。



「幸せだったんだ」



あの子の口からではなかったけれど幸せと思えていたならば、一瞬でも彼女がここに来てよかったと思っていてくれたならば、私は私の選択が正しかったと思えるのだ。



思い出す、彼女とはじめて会った日のことを。



ダボダボで薄汚い服を着て私に笑ったあの日。



私は彼女を抱きしめ彼女が幸せだと思えることを決めた。



< 269 / 324 >

この作品をシェア

pagetop