忘却は、幸せの近道
「私、カルボナーラ。」


私は、嬉しくて食べたいものを言った。


「梨依は、いつもカルボナーラじゃん。」


卓は、笑った。


そういえば、カルボナーラ以外を頼んだことないかも。


でも、毎日食べても飽きないぐらいおいしいんだもん。


「そういう卓は、いっつもオススメばっかりじゃん。」


「あそこは、はずれがないからな。」


私は、カルボナーラしか頼まないけど、卓がいろいろ頼むから一口もらったりする。


だから、他のメニューもおいしいのはわかるんだけど、カルボナーラしか頼めない。


「なんか、デートって感じじゃないな?」


「でも、私と卓のペースでよくない?
私は、卓といれれば嬉しいよ。」


デートがしたいんじゃなくて、卓と一緒にいたいから。


「梨依が、変わった。」


卓は、少し頬を赤らめ自分の口元を押さえた。


照れてる?


「素直になるって決めたの。
私が、偽り続けたせいでダメにしたことがたくさんあるでしょ?
後悔したくないから....」


私は、泣きそうだった。


悔やんでも悔やみきれない。
< 127 / 169 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop