忘却は、幸せの近道
「梨依、やめろ。」


みんな、来ちゃった。


のんびりしすぎちゃったかな?


必死に私を止めるみんなが滑稽に見えた。


涙を浮かべて泣いてる。


辛そうに思い詰めてる。


けどね。


遅いんだよ。


私を救おうとしなかった。


それが、みんなの答えだよ。


私が知らないフリをしたら、それに安心したように便乗する。


私は、ただ....


抱きしめて欲しかった。


何も言わずに、抱きしめて欲しかった。


それだけで、救われた気持ちになれたはずだから。


何も望まないから、安らぎだけを与えて貰いたかった。


言葉なんかいらないから、温もりだけ欲しかった。


それは、望みすぎたことなのかな?


違うよね?


そしたら、まだがんばれたよね?


そんな気がするんだ。
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