忘却は、幸せの近道
それきっかけかわからないけど、先輩は、私を見かけると声をかけてくれるようになった。


その時は、前みたいに頭をポンポンと撫でてくれる。


みんなに羨ましがられる程の待遇。


けど、恋愛対象じゃなくて、妹的なんだと思う。


だって、私じゃない誰かを見てるみたいだから。


聞きたいけど、聞けない。

だって、私が先輩を好きだとバレたら、もう声をかけてくれないて思う。


その前に、先輩は友達や女の人といる時は、絶対に声をかけない。


一人の時じゃないと。


なんか、どんどん嫌になるよ。


恋が苦しいだなんて。


「実依、明日、ヒマか?」


先輩から、突然の誘い。


なぜ?


「ヒマですけど.....
なにか?」


遠慮がちに聞いた。


明日は、学校が休み。


今まで、こんな風に予定を聞かれたことはない。


他の男の人にだって。


だから、よくわからない。


どういう対応が正解なのか。


「じゃあ、明日、出かけるぞ。」



先輩は、満面の笑みで誘ってきた。


出かけるぞ?


もしかして.....


デート?
< 159 / 169 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop