忘却は、幸せの近道
「毎日、毎日、甲斐甲斐しいわね。」


姉さんが呆れながら、病室に入ってきた。


「うるせぇよ。」


「まあ、いいけど。
卓がそんな人だったなんてね。
圭が一番驚いてるわよ。」


「俺だって....」



兄さんと姉さんが驚くのは、わかる。


俺が一番吃驚してんだから。


梨依の悲しみを知って、救いたいと思った。


助けたいと思った。


守りたいと思った。


そして、気づいたんだ。


梨依が好きだって。



だから、眠り姫な梨依でも一緒にいたいんだ。


「卓がずっと一緒にいてあげたら、梨依ちゃんは目覚めるわよ。」


姉さんは、自信に満ちあふれたように言った。


「けど、もう一年も....」


「諦めるな。
てか、梨依ちゃんは、愛に飢えてたんだから。
わかってる?」


「わ、わかってるよ。
諦めずに梨依への想いを突き通すよ。」


「よろしい。」


姉さんは、言うだけ言っていなくなった。
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