忘却は、幸せの近道
「卓は....
梨依のすべてを受け入れてんだよな。」


十和さんが、呟くように言った。


「俺、どんな梨依でも愛せます。
てか、梨依じゃなきゃダメなんです。」


「そんな一途に人を想えるんだな。」


十和さんが、変だ。


「十和さん?」


「俺さ。
梨依は、単なる男嫌いなんだと思ってた。
あの日のことを本気で忘れてるって思ってたから。
だから、気にせず女遊びしてた。
けどさ。
それは、梨依を傷つける行動でしかなかったんだって気づいたんだ。
てか、俺、逃げてたんだ。
梨依が、忘れてるとはいえ、自分がどう接していいかわからなくて。
梨依を追いつめる原因は、あいつだけじゃなくて俺もあったんだ。」


梨依が、恐れていたことが現実になっている。


けど、今なら。


梨依が目覚める前に。
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