忘却は、幸せの近道
次に目覚めたときは、自分の部屋だった。


この時は、まだ素直に起きたことを話そうと思った。


けど、一瞬にしてそれをやめることにした。


不安そうに腫れ物を見るかのように私を見るみんながいたから。


「どうかしたの?」


私は、なにもなかったかのように聞いた。


「梨依、大丈夫か?」


「なにが?」


なかったフリ。


それが、一番なんだ。


「いや....昨日....」


「昨日?
私、どうかしたの?
てか、みんながいる意味がわからないよ。
もしかして、私、暴れたりしたの?」


私は、クスクスと笑いながら、聞いた。


普通に言えてる?


「忘れてるならいい。」


みんなは、私の部屋から出ていった。
< 7 / 169 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop