忘却は、幸せの近道
第三章〜目覚めは、忘却とともに〜

目覚め

「.....た...く。」


私は、愛しい人の名前を呟いた。


目の前がずっと真っ暗で。


光なんかなくて。


だけど、卓の声だけは、聞こえていた。


ほかにも声がした気がするけど、はっきり聞こえなかった。


私は、卓の声がする方に向かって歩いた。


それしか、希望の光は、なくて。


たくさんの卓からの言葉。


私も伝えたい。


卓。


大好きなの。


卓だけじゃないの。


私が卓を必要なの。


卓だけなんだよ。


理解してくれたの。


そんな人と離れるなんてできるわけない。


てか、卓だけがわかってくれればいいから。


多くは望まないから。


多くは、望まないけど卓だけは。


神様。


いないと知っていても願ってしまう哀れな私に救いの手を。


それは、不確かなものでなくて確かな存在でいいから。


それが、卓でありますように。
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