俺様な死神研修生!



「うおっしゃぁぁぁ!!」


彼の歓喜の声が響いた。

思わず身を固くする私に彼は満面の笑み。


「やっと、成功しそうじゃねぇか!ったく、これまで俺にどれだけ苦労かけさせてんだ。」

「・・・・は?」

「一回目は人間違って失敗、次は侵入できずに失敗・・。」


腕組みをしてしきりに自分の言葉に頷いている彼。

こんなシリアスな場面でのいきなりの素っ頓狂な行動。




アホだ、コイツ。




「それから犬に追っかけられて失敗、やっと成功しそうだぜ。」


阿呆な顔を急に止めてアタシをもう一度冷たい目で見る。


「だから、貴方誰?」

「もう死ぬ奴に関係ねぇだろ。」

「死ぬ?私が?」

「どうだ?怖いだろ?死にたくないだろ。命乞いしろ。」

「だから、誰?」

「ちぃっ!冥土の土産に教えてやるよ。」






「俺様は神夜 恭汰[カミヤ キョウタ]。死神研修生だ。」









これが私と恭汰の出逢いだった。








< 3 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop