甘いKiss
クラス委員が仕切って
着々と進んでゆく。
ほとんど、皆騒いでるけど。
「奈々ーっ!」
「…なんだ、翔也か。」
あたしは振り向いて
それだけ言って、また前を向き直す。
「え? 俺の扱いひどいんちゃう?」
「翔也、一つだけ言わせて。」
「何だよっ♪」
翔也はあたしを肘で
ツンツンとつつく。
何を期待してるんだか
この馬鹿男は。
「翔也…あんたウザい」
確かに、と美波も続いて頷く。
「何や~! 誉めたって
何もでーへんぞ!」
「はあ………」
駄目だコイツ。
あたしはガックリ肩を落とす。