ささやかな奇跡
極限まで見開かれた慈尊の瞳から、はらはらと涙が零れ落ちた。
その涙に誘われるように、白い花びらがゆっくりと空から舞い降りて、二人の亡骸の上に、ひとひら、ひとひら、降り積もる。
それがまた悲しくて、慈尊はいつまでも泣き続けた。
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