―百合色―
いつも飲んでいる風邪薬を見つけ、手に取り、レジへと向かう。


俺は二千円を出し、
お釣りをもらい、
また来た道を戻る。


『…あ~…えらい…』


ちょっとの距離でもこんなに息が上がる。


俺は壁にもたれかかり、
歩くのをやめた。


目を閉じ、落ち着かせた。

『光輝君?』


そんな中、誰かが俺を呼んだ。


俺はゆっくり振り返り、
誰か確認をした。


目がボヤける。


だがすぐに誰か分かった。

『優…さん…?』


そこにいたのは優さんだった。


優さんは俺に駆け寄り、

『大丈夫?』

と言ってくれた。


今、優さんに会いたくなかった。


百合の事を思い出してしまう。

百合のあの笑顔を思い出してしまう──………
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