―百合色―
『でも笑った方がもっと可愛い!』



『じゃあ笑う!』



『おう、笑え笑え!
あっ…マナ。俺、マナに渡したいもんある…』



『何?』



俺が新しい学生カバンから取り出した小さな箱。



これ何か分かる?



『はい、やるよ!』



『何?これ?』



『開けてみ?』


マナが不思議そうに、
小さな箱を丁寧に開けていく。


中から出てきたモノは…



『指輪…』



『おう。俺とお揃い!
もう安心だろ?俺のモノっていう証』



『光輝…ありがとう!早速つける!』



マナが指輪を薬指にはめた。


俺とお揃いの指輪を、
俺と同じところにつけたマナ。



俺達は恋人同士──…


そう主張している指輪。



これで安心だろ?


ホントは、俺が安心したかったから、買ったんだ。


これを見て、毎日マナの笑顔を思い出すよ──…
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