―百合色―
『溜め息ばっかつくなよな!気分下がるだろ!』



悪かったな。
溜め息ばっかついて。


『麻生元気?』



今、マナの名前出すなよ。思い出すだろ。


『……あぁ』



『何だそれ!ば~か』


こいつ、殴っていい?


俺とタクミは、地元へと戻ってきた。


俺は地元が好きだ。

一番落ち着くから。

一番、安らぐから。


そして、一番マナとの思い出が詰まっているから。



『じゃあな、タクミ』


『じゃあな!』


俺はタクミと反対の方向へと歩いて行った。



俺は素直に自宅には戻らず、駅の中の本屋へと向かった。


俺は、本屋へと入ると、
必ず行く場所がある。


それは、ファッション雑誌コーナーでもなくて、小説コーナーでもなくて、


フォト雑誌コーナーだ。
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