Heavenly sky-あたしと君に残された日々-





「……」


「……」


「……ほら、そいつ下ろせ」


無言で男の首元を掴んだままの日向に、壱夜が静かに言う。…けれど。


「イチ離せ。まだ一人残ってる」


そう言って乱暴に気絶した男を下ろした日向の目線は、まだ然程目立った怪我のない黒髪の男へと向けられた。


標的が自分に変わった事で、男は「ひぃっ」と、情けなく声を洩らす。


『日向、もう止めとこ?』


そんな光景に痺れを切らしたあたしは、久しぶりに見た“暴走日向”を宥めるように抱きしめた。






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