Heavenly sky-あたしと君に残された日々-





「陽菜、そんな泣くなよ」


「だ、だってっ…ピッピ…もう、会われ…へんっ」


泣きじゃくるあたしの頭の上を、まだ小さい手が何度も往復する。


嗚咽が洩れて文章になっていなくても、日向はちゃんと単語を拾って理解してくれる。


…そしていつも、彼はあたしに答えをくれていた。


「そんなに悲しい?」


「…っ…日向は、悲しくないん?」


「俺?…ぜーんぜん悲しくない」


―――それは彼特有の、あたしをよく分かっている彼だからこそ出来る、答えの出し方。






< 555 / 841 >

この作品をシェア

pagetop