白衣を脱いでも恋してる
「ってか…なあ、」



「はい?」



「俺、やっぱ酒くせぇ?」



「えっ?」



ボーゼンと立ちつくすあたしの目の前では、あたしの存在になんて全く気づいていないのか、



クンクンとスーツの袖の匂いを嗅ぎ、腰を曲げる由奈にズイッと顔を寄せる先生。



「スーツのココ、袖んトコなんだけどさぁ…ワイン…しかも赤。ぶっかけられちゃって…。」



「あっ、ほんとだ。シャツがちょっとシミになってる。」



ただ、シミになっちゃったトコを見せてるだけ…。



「だろ?しかも匂いがやけに鼻についてさぁ…。特にココなんだけど…マジヤバくね?」



「うっ…クサッ…」



「クサ言うな。ってか、オマエ、匂ってねぇだろ。」



「えへ。」



由奈と先生…何気に仲良しサンだから、



こんなのいつものコト。



なのに…

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