ロンド

新学期



――四人目


「通してくださーい」

「生徒は速やかに教室へ戻りなさい!」

「今度は誰?」

「三年の男の先輩だって……」


藍の事件から2ヶ月。


「やっぱ『呪い』だよね……」

「状態一緒だし……ヤダ、怖〜い……」


再び騒がれる『呪い』。

藍と同じに。


一人、うずくまって泣いている女の子がいた。

たぶん、さっきの先輩はあの女の子にとっての大切な人だったんだと思う。


2ヶ月前、あたしもあんな感じだった。

あの場所では泣いてなかったけど、あった感情は『絶望』。

藍を見て何度泣いたか、数知れない。

早く、目を覚ましてほしい。
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