ロンド


噂は瞬く間に広がり、『魔の子』は『天の子』とは別々に人生を送ることになる。


『魔の子』はそのあざを隠し、いつか来る『暴走』を恐れて過ごすそうだ。


ここまでの話は、『天の子』と『魔の子』の伝説だ。

これから話すことは、その『天の子』と『魔の子』がなぜ生まれてくるのか。

その『呪い』の正体の話だ。


今から約300年前、双子の子供が生み出された。

『天の子』の基となる白百合(しらゆり)という少女と、『魔の子』の基となる深宵(みよい)という少年。


双子の性格は年を追うごとにそれぞれ別れていき、白百合は善の道に、深宵は悪の道へと進んだ。

二人は対立し、互いの行く手を阻み続けた。


しかし、あまりにも残酷なことばかりする深宵を見かねた白百合は、己の手で深宵を殺し、白百合自身も死んだ。

死後もなおその魂は対立し続け、『魔の子』が生み出される前の子供に憑依するとともに阻もうと同じ体に天の子も憑依し、結果的に天と魔と呼ばれる呪われた双子が生み出され、その体を使って未だ互いに対立し合っているらしい。

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