ラブ☆ファイト



ざわざわざわ……。


担任が生徒の名を呼ぶ声に混じって、ヒソヒソと噂をする声が聞こえる。



「先生、さっき“高宮春菜”って言ったよね?」

「あの新入生代表の?」

「うそ~、このクラスだったんだー」


そんな話を聞いて内心ほくそ笑む。



フッ、勝ったわね。

みんな私のことが気になって仕方がないみたい。

聞こえてくるのが賞賛の声じゃなくて、ただの噂話なのはちょっとばかし不満ではあるけれど……。



「何だ、お前たち?
出席とる間くらい静かにできないのか?
お前らは小学生か?」


ざわつく生徒に心底呆れ果てた様子の担任。


それもこれも私が偏(ひとえ)に優秀すぎるからなのね。

やはり人の目にはそう映ってしまうのかしら。


なんて私は一人自分に酔いしれていた。


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