tokimeki*train


「着いたぁ」
ど~にか無事に駅に到着。うん、今朝は平和だった。やったね。

「全く小さな幸せだこと」隣で苦笑するのは、登校友達の明(アキラ) ちなみにれっきとした女の子ね。

明はバスで駅まで来るんだ。だから私と駅で待ち合わせて一緒に登校ってワケで。


「…で、今日は平和だったんでしょ? 他には良いことはなかったの?」

「あるわけないじゃーん。地獄の満員電車だよ。痴漢に遭わなかっただけでラッキーだよ」

「かっこいい子とか探せばいいのに」
いっつも男の子にモテモテの明は隣でそんな事言ってるけど聞こえないふり。

私だって。恋してないワケじゃない。好きな人ならいる。でも明には内緒。だって見てるだけで、今は幸せだもん。

「彼氏を作らない幸が信じられないよ。それじゃなくても女子校で出会いが少ないんだから、欲しけりゃ探しなさいよ!!」

「へいへ~い」
私の気のない返事を聞いて呆れ顔の明。

でもいいの。
彼の事はまだ誰にも言ってない。イヤまだ言いたくない。私の放課後の楽しみだから。


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