同級生

恋心

煮え切らない思いと気持ちのまま進級してしまい、クラスメイトの人数も少し減っていた。

留年や退学、タバコが見つかって無期停学が解けないまま辞めていった奴も居る。

奇跡的に進級出来た一哉と人志だったけど、俺の気持ちは沈んだままだった。

原因は今だに和華と付き合っている藤沢。

藤沢と付き合ってると知ってるのに、和華の近くに行きたくて、休み時間はいつも和華の後ろでみんなと話をしていた。

藤沢と付き合いはじめてから、和華は隣の席で藤沢と同じ中学の山本と、大久保の3人でよく話すようになってたけど、話の内容は他愛も無い事ばかり。

藤沢の事は全く話さない和華に、違和感すら覚える始末。


ある日の朝。


学校に向かう途中、近所の公園に寄り道をし、3人でタバコを吸いながら缶コーヒーを飲んでいた。

タバコを忘れた人志は、一哉に頼み込んで残り少ないタバコを恵んで貰い、その代わりに缶コーヒーを一哉に奢っていた。

一哉は最後の1本を吸い終わった後、ライターと空箱をゴミ箱に捨てていた。

タバコを灰皿に捨てた後、まだ入っているタバコをジャケットの内ポケットにしまい、学校に向かった。
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