イニシャルはKK
「歌音、また自分の世界に浸ってたね?」

はいはい。
クルミには全部お見通しですよ。

「例のお兄ちゃんでしょ?」

「悪い?」

「今どき、そんな10年以上も前の約束を覚えてるヤツなんているワケないでしょう?」

「覚えてるもん。
少なくとも私は…」

「だから歌音には彼氏が出来ないんだよ。
言った本人はとっくに忘れてるよ」

「そんなはずないもん」

「じゃあ、どうして迎えに来ないのよ?
覚えてるんなら来てるはずでしょ?」

クルミに反論出来なくて私は泣きそうになった。

「別に歌音をいじめたくて言ってるんじゃないよ。
いい加減あきらめなよ。
私たち、もう高校生なんだよ?」

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