年上。
店長は当然、悪びれも無く言い張るその女に対して怒り狂い、一切の躊躇いも無く警察へと通報した。

万引きは窃盗罪に相当する。刑法……第何条だったかは忘れたが、とにかく犯罪となる。無論の事、懲役刑だってある。

まぁ、あとでその女がどうなったのか、なんて俺の知るところでは無いが。

何やらあの女に似た顔写真が、朝のニュースで出ていたな。

あの内容は確か……そう、何処かの官僚の妻だったような気がする。

まぁ、俺は興味を持っている訳では無いので深くは知らないが。俺の旧知の友人にその事を話したら、面白がっていたな。

調査をする、とか言っていたが何を企んでいるのか、解せん男だ。

しかし……今日は暇だな。

客がほとんどいない。万引きもする気配も無い。

いつも忙しいわけでは無いが、流石に今日は暇すぎる。

不意にコンビニの自動ドアが開いた。

「いらっしゃいませー」

いつもの通りの言葉を発する。

「あら、君は……」

意外だった。本当に腐れ縁というものはあるらしい。信じたくはないが。

あらわれたのは担任だった、予想外すぎる。ち、面倒な奴に知られてしまった。

ここは他人のふりをしておきたいが、もう既に遅いだろう。俺の事に気付いているらしい。

「まさか君がここで働いているなんてね」

驚いた風にいう、田代裕子教諭。ああ、俺も驚きだとも。

まさかあんたがここに来るなんてな。
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