愛の雫
ある日、いつものように学校に行くと、先に登校していた絵里香があたしの元に来た。


「希咲、バイトどう?」


「楽しいよ」


「今度友達と行こうって話してたんだけど、いつならいるの?」


「土日は大体いるけど……」


「じゃあ、サービスしてね♪」


そう言った絵里香に、苦笑しながら頷く。


やっぱり泰人との事を何も訊いて来ない彼女とは、最近はとりあえず上手く付き合えていて…


苦痛だったグループ行動も、ほんの少しだけラクになっていた。


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