愛の雫
絵里香はいつも30分も経たないうちに、愚痴を零し始める。


あたしだってやる気がある訳じゃないけど、ここまでやる気の無い彼女を見ていると、正直呆れてしまうんだ。


「だって〜……数学なんて勉強したって、絵里香は使わないもん!」


今日も、数学が嫌いな人の決まり文句のような台詞を発しては、拗ねた口調で不満ばかり零している。


「……でも、ほら!留年したら困るんだよね?だから頑張ろうよ!」


そしてその度に絵里香の事を宥めている朋子が、気の毒に思えた。


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