愛の雫
階段を駆け上がって、自分の部屋に閉じこもった。


あれだけ大声を出したのにパパが出て来なかったから、まだ帰って来ていないんだと思う。


だけど…


そんな事は、どうでも良かった。


陽子さんに対して苛立ちはあるけど、そんなつまらない事なんてどうでもいい。


そんな事よりも、凪兄にあんな風に言ってしまった自分が惨めで…


情けなくてバカみたいで、こんな自分自身を益々嫌いになってしまう。


こんな自分は、まるで自分(アタシ)じゃないみたいだ…。


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