愛の雫
恐怖心に包まれたあたしは、一寸先も見えない暗闇の中にでも閉じ込められているみたい。


言う事を聞かない体は全く動かせなくて、暴れる事も逃げる事も許されなかった。


抵抗する気力も既に剥ぎ取られていて、この状況を受け入れるしか無いんじゃないかとすら思う。


もう、イイや……


どうせあたしなんて……


少しずつ暗闇に包まれていった心が、自分自身に諦めるように促し始める。


その直後…


「絵里香〜!」


あの金髪の男の、楽しげな声が響いた。


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