愛の雫
しばらくして我に返った時、やっと陽子さんの体を引き剥がす事が出来た。


「いきなり何なの……」


強がってみても、声が少しだけ震えていた。


だけど…


涙を堪え切れただけでも、まだ良かったと思う。


「あっ、ごめんなさい……。つい……」


まるで親子とは思えないようなやり取りに、店長と朋子が不思議そうにしている。


「店長に頼まれて、あたしが希咲ちゃんの家に連絡したの……」


そんな中、いつの間にか控室にいた乃依さんがそう説明した。


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