愛の雫
「希咲!」


あたし達に気付いた泰人が、不敵な笑みを浮かべた。


その笑顔を見た時、別れ話をしてからまだそんなに経っていないのに、会うのは随分と久しぶりのような気がした。


そして同時に、見慣れているハズの泰人の笑顔を恐いと思ってしまった。


「絵里香、サンキューな♪」


「ううん、二人の為だもん♪あたしに出来る事があったら、何でも言ってね!」


「お前、マジでイイ奴だな〜!」


しみじみと言った泰人に、絵里香は満足そうに笑った。


< 58 / 830 >

この作品をシェア

pagetop