愛の雫
絵里香が立ち去った後、他の生徒達の注目を浴びていたあたし達の間には、気まずい空気が流れていた。


「とりあえず、移動しようぜ。家でイイだろ?」


「え……?マックとか、公園とかでイイじゃん……」


「はぁ?俺、金ねぇし。真冬の公園とか寒いっつーの!」


「じゃあ、行かない……」


「はぁ!?」


「あたしの気持ちは変わらないから、別にもう話す事なんてないし……」


あたしは語尾が小さくなるのを感じながら、凄(スゴ)む泰人から視線を逸らした。


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