愛の雫
「希咲ちゃん、バイト先に電話しといた方がイイんじゃない?」


カラメルミルクを飲み終えたあたしに、奈緒ちゃんがマグカップを洗いながら言った。


「そうだよね……」


あれだけ迷惑を掛けたんだから、もちろん連絡をしない訳にはいかない。


「きっと皆、心配してくれてるんじゃないかな?あたし、先に部屋に行って布団敷いとくから、希咲ちゃんは電話が終わったらおいでよ」


「……うん」


あたしが小さく頷くと、彼女は優しい笑みを残してリビングから出て行った。


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