愛の雫
たった今、凪兄の口から零された言葉が頭の中にこびりつく。


だけど…


現状をすぐに理解出来る程、あたしの頭の出来は良くは無くて。


何とか考えようとしてみても、驚き過ぎたせいなのか思考回路が完全に遮断されてしまって。


もう、瞬きすら出来ない。


「希咲?大丈夫か?」


凪兄の言葉が、あまりにも衝撃的だったんだと思う。


「おい、希咲!?どうしたんだよ?」


あたしは呼び掛けに返事をする事も出来なくなる程、酷い放心状態に陥っていた――…。


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