Expansion-エクスパンション-
「なんだよ。白銀って呼ばれてるじゃん」

「俺がつけたんじゃねぇ、どっかの誰かがつけたんだ。そもそもダチなんだからそんな名前で呼ぶなっつの」

「悪かったよ。おまえ足速いな、依頼主ほっぽらかして行くなよな」

「おまえの足が遅いんじゃないのか?」

「よく言うぜ」

 しばらく歩くと、大きな機械の置かれた部屋にたどり着く。

 グレーに統一されたソレは、とても動くとは思えないシロモノだ。

「これか?」

 白銀と呼ばれた青年は、ボタンやキーがいくつも並べられた機械に手を乗せた。


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