偽りの結束
 しばらくして、透が大声を上げた。


「タイヤが四つともパンクしてる! 切り刻まれた後があるぞ!」


 すぐに私達もタイヤを確認したが、こっちの車も同じ様に、全てのタイヤがパンクしていた。やはり何かで切り刻まれていたのである。

 夕日に照らされ、私達は途方に暮れた。


「とにかく悟の遺体も車に運ぼう。かわいそうだ……」


 マジタニの一言で森に歩きだした。

 透達も手伝ってくれる様だったので、全員で向かった。

 改めて悟の遺体を見ると、これが現実なんだと思い知らされ、私は静かに涙を流した。

 マジタニが悟の両肩を持ち、透さんが足を持って、残りの私達は彼らの後ろを歩き、駐車場に戻ってきた。

 車に悟の遺体を乗せると、一旦みんなでテントに戻ろうと決まった。

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